過活動膀胱

過活動膀胱とは;頻尿や、急にもよおす尿意、いわゆる尿意切迫、場合によってはトイレまで間にあわずに尿を漏らしてしまう(尿失禁)病態の総称で、原因としては複数の疾患があげられます。つまり、過活動膀胱とは一つの病気の名前ではなく頻尿、尿意切迫、切迫性尿失禁を主症状とする症候群のことです。

過活動膀胱の原因

① 急性膀胱炎、尿路結石、癌等を除外した次のような疾患
・脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、脳の変性疾患
・脊髄疾患(脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊柱管狭窄症、頚椎症、後縦靭帯骨化症、多発性硬化症等)
・前立腺肥大
② 認知症
③ 加齢

過活動膀胱の診断・治療

診断

主に問診が中心になります。OABSSと呼ばれている症状質問票を利用することもあります。

治療
抗コリン薬 膀胱の収縮を抑えて、頻尿や尿意切迫、切迫性尿失禁を改善します。副作用として、便秘や口が乾く症状(口喝)があります。一部の緑内障(閉塞隅角緑内障)では使用できません。
β3受容体作動薬 尿をためる際に膀胱を広げる作用があります。抗コリン薬に比べ、便秘や口喝は少ない印象です。一部、若年者に使用できない薬があります。